Slogan for Slogan's Sake 日本企業の英語スローガン

今日は、宣伝会議賞以外のコピーがらみの話題を。

今日の話題は、日本企業の英語スローガン
私は英語がらみの仕事をしていることもあって、
コピーに興味を持つようになる前から関心がありました。
関心というより、苦情というか、怒りというか

前回の課題発表号に、こんな記事がありました。
『コーポレートスローガンの傾向と潮流、そしてアイデンティティ

その中で、こんなデータが出ています。
『コーポレートスローガンでよく使われている言葉(英語)』

実はその答えが、私の予想を大きく裏切ったのです。
私の予想は、こうでした。

そりゃもう、"Vision"、"Future"、"Possibility"でしょ!

これこそが、私の苦情とか怒りとかの主な対象だったので。
が、記事によれば、圧倒的に多く使われる別の単語が・・・

"Life"

え~っ、そんなのありましたっけ?

ちなみに結果は・・・

1位 "Life" (78回)
2位 "Innovation" (28回)
3位 "Future" "Quality" (20回)

他を大きく引き離しています。

で、思ったのですが、"Life"って単語、印象に残りにくいのでは
人間に関係することなら何でも"Life"といえば"Life"ですし。
それに、なんだか音のエネルギーも弱いような気がします。
これほど大事な単語なのになぜだろう。
人が死ぬ間際に発した声にもならない声が元になっているとか。
唯一私の印象に残っていたのは、"NO MUSIC, NO LIFE."だったのですが、
この場合は対になっているうえに下敷きもありますし。

で、"Life"に限らず、日本企業の多くの英語スローガンって、
結局のところ、何もメッセージが伝わっていないような気がします。
「間違っていないこと」を言っているだけでは。
ちなみに、山本高史さんの「伝える本。」では、
"FOR YOUR TOMORROW"という架空の例が出ています。
実際、これに近い例も相当あるということでしょう。

企業スローガンの効果を測定するのは難しいのでしょうが、
うーん、測定しない方がよいかもしれません・・・・・。

今回の宣伝会議賞では企業広告の課題も多いですが、
「企業スローガン」というわけではないようです。
ただ、「キャッチフレーズ兼スローガン」というのも、
課題によってはありうるのかもしれません・・・・・。