SKAT16鑑賞ガイド その8

今日も、SKAT16鑑賞ガイド。

 

19.ニチバン
ありきたりでないものへの挑戦を。

この商品、パッケージのコピーでよくね?
「貼って、はがせて、手で切れる。」
後はせいぜい、「書き込める」と、
「これひとつで済む」が入れば。
普通に言った方が、機能は伝わりやすい。
その先は、消費者が想像してくれそう。
それっぽい話は作りやすそうだけど、
単に使用例を複雑に言うだけになりがち。
そういうのが喜ばれるとは思えない。
コピーにどんな機能を持たせるのか?
いかに効率的かを強調するとか、
新しい使い方を提案するとか、
圧倒的に魅力的な表現とか・・・。
具体的な話の中身は違っていても、
似たタイプものが集まりやすそうだけに、
根本的に違うものへの挑戦を見たい。

 

20.日清オイリオグループ
企業が求めるコピーの種類は?

加油!」を出しちゃった人は残念。
出題企業自身が過去に使っています。
そりゃ課題にぴったりなはずです・・・。
企業が見てみたいのは、おそらく、
加油!」や「フライDAY」に代わる、
キャンペーンコピーの試作品かと。
ただ、明示されているわけではないので、
「フライDAY」の一環で使えるものかも。
オリエンの「元気で前向きな勢い」を重視。
食用油の具体的な効用とかの細かい話は、
キャッチでやることではなさそう。

 

21.日本レジストリサービス
「無難であることの言い当て」を超えて。

過去のSKAT掲載作品を見ると、
「とりあえず安心」みたいなことを、
言い当てているだけのものが多い。
でも、「.jp」を使っていない人でも、
その程度のイメージは持っていると思う。
これ以上言っても無効じゃないかな。
他のドメインが全部ダメなわけでもないし。
「無難」を超える積極的価値が欲しい。
それを最高に増幅する表現で。
怪しい話は、むしろ信頼を毀損しそう。
前回は、明らかな嘘もありました。
「協賛企業の何社が使っている」は、
もういい加減やめにしてほしい。
セリフに「.jp」を付けるCM案も、
飽和状態でこれ以上は無効です.jp。

 

明日は、SKAT16鑑賞ガイド、その9。
では。

SKAT16鑑賞ガイド その7

今日も、SKAT16鑑賞ガイド。

 

16.テンピュール・シーリー・ジャパン
価格帯相応の存在感を。

眠りは大事だよね、では物足りないし、
「マットレスブランド」も伝わりにくいし、
他の高級マットレスでもいい。
「無重力」は、使われているので不可。
なお、「低反発」は、ほぼNGワード。
あくまでも、「体圧分散」ってことで。
また、決して安くはない商品なので、
圧倒的な期待感とメジャー感が欲しい。
とにかく試してみたくなるような。
しょーもない雰囲気のものは無効。
「息子のマットレスを変えた。
 反発しなくなった。」とか。

 

17.トッパンフォームズ
言い当てが9割。

言い当てるのがコピーではないけれど、
この課題は言い当ての比重が高そう。
個別の商品やサービスの機能よりも、
出題企業が目指していることの全体像を。
この/あの広告は、効いた/効かなかった、
的な、理由不明のでっちあげ話は論外。
「科学」のイメージを毀損しかねません。

 

18.トヨタマーケティングジャパン
送りバント」禁止。

「試作の場」でもある宣伝会議賞に、
天下のトヨタの4番打者的商品。
ちまちました作品にはブーイングを。
機能そのものは、普通に言えばいい。
この商品の存在意義に焦点を当てたい。

 

明日は、SKAT16鑑賞ガイド、その8。
では。

SKAT16鑑賞ガイド その6

今日も、SKAT16鑑賞ガイド。

 

14.ChatWork
機能の説明じゃなくて。

個別の機能の説明は、ボディーでもいい。
チャットワークをまだ知らない人に、
全体像とその価値が伝わるものを。
「ビジネスが加速するクラウド会議室」は、
説明としては分かるけど、ちょっと抽象的。
後は、どう「加速する」のか、可視化したい。
テレワークにしても外回りとの連携にしても、
拠点間連携にしても社内外の連携にしても、
そういうことができるというだけでは弱い。
そもそも、導入事例を読んだ感じでは、
「遠隔連携」限定というわけでもなさそう。
あくまでも本質的な価値に基づいて、
「効率化」への期待を高められるか。

 

15.ディーエムソリューションズ
あくまでもキャッチ―に。

「人材採用」に寄りすぎる必要はない。
顧客目線ではなく就活学生目線で、
この企業の仕事の魅力が伝わるように。
「この企業に入るとこんないいことが」、
的な話は、ちっちゃすぎるのでは。
オリエンの通り、キャッチ―なものを。
出題企業が言っている「キャッチ―」は、
「つぶやき」や「あるある」じゃなさそう。
覚えてもらえることを重視したい。

 

明日は、SKAT16鑑賞ガイド、その7。
では。

SKAT16鑑賞ガイド その5

今日も、SKAT16鑑賞ガイド。

 

11.セゾン自動車火災保険
余計なことをやるんじゃなくて。

この課題は、宣伝会議賞では難しい。
ウェブサイトで使われているこの文言でいいから。
「事故率が低い40代・50代の保険料を割安に!」
前回の一次通過作品を見てみると、
余計なことをやってばかりで、
上記の文言より効きそうなものはない。
わざわざ遠回しに小難しく言っているか、
「保険料が安くなった」の前か後に、
余計なことを付け加えた作品が多すぎる。
ただ、何をやればいいかは、かなり難しい。
強いて言えば、「割安だと知る」ことを、
「実際に乗り換える」につなげること。
知れば動くとは限らないことは、
カードのポイントの例でも明らか。
「言う」だけなら上記の文言でいいし、
「40代・50代にうれしい」もある。
「動かす」に集中した方がよさそう。
なお、他の自動車保険にも年齢条件はあります。

 

12.セメダイン
価値訴求より認知向上。

特別なことを言う必要はないと思う。
セメダインのありのままの姿を、
知ってもらい、覚えてもらえれば。
一度見たら忘れないくらいの印象度で。
第48回・第50回のオリエンと比較すると、
出題企業が意識したのかは不明ですが、
今回のオリエンの方がその方向に近い。
課題の文言からも、「発見」にこだわらず、
認知度が上がれば課題解決になるのでは。

 

13.高松建設
100周年ですよ、100周年。

周年の中でも、企業にとっては最大の節目。
100周年にふさわしい、志を感じるものを。
節税対策あたりは訴求力はあるとしても、
100周年のキャッチとしてはせこい印象。
そういう細かい話は、ボディーでいいでしょ。
また、でっちあげのエピソード系はご勘弁。
マンションの自慢話とかは的外れで論外。
「100周年あるある」は・・・、ないない。

 

明日は、SKAT16鑑賞ガイド、その6。
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SKAT16鑑賞ガイド その4

今日も、SKAT16鑑賞ガイド。

 

9.クレディセゾン
新しいアプローチを。

オリエンに従えば、ポイント以外が優先。
容易ではないけど、成功すれば高評価。
ただ、作る側の都合が出すぎないように。
メリットを強調しようとするあまり、
無理がある作り話になってはダメ。
素直に「そうだな」と思えるものを。
課題の文言からは、ポイントも可。
ただし、新しい訴求のアプローチを。
ポイントがたまること自体は知られていて、
それでもなお現状があるわけで。
表現を変えても、単なる描写では苦しい。

 

10.サントリー
最強、とにかく最強。

訴求点は、「最強」しかない。
後は、それをどう表現するか。
商品そのものを描くか、
飲んだ人を描くか、
飲んだことによる効果を描くか。
雰囲気にも気を使いたい。
「だらだら」や「へらへら」はなし。
「まじめ」や「遠い目」もなさそう。
よくある「あるあるネタ」は、
「最強」とは相性が悪そう。

 

明日は、SKAT16鑑賞ガイド、その5。
では。

SKAT16鑑賞ガイド その3

今日も、SKAT16鑑賞ガイド。

 

6.キヤノンマーケティングジャパン
作らない理由は何か。

「作りたいけど面倒そうだから」か、
「普通のアルバムで十分だから」か。
実際は両要因が混在していそうだけど、
キャッチはどっちかに絞らないと弱い。
オリエンは、圧倒的に前者寄り。
ただそっちは、普通に説明すればいいかも。
宣伝会議賞向きなのは、後者のような。
消費者感覚で後者の要因が強いと考える人は、
「作品の意図」に書けば、後者でもいいのでは?
どういう作品を模範解答と考えるか、
人によってかなり違ってもおかしくない。

 

7.牛乳石鹸共進社
「ずっと変わらぬ」とはいえど。

6年連続出題による飽和にどう抗うか。
商品の性格上、爆発すればいいわけでもない。
既視感のあるキーワードを避けつつ、
「やさしさ」への共感をどれだけ呼べるか。

 

8.霧島酒造
この100年と、次の100年と。

商品広告ではなく、企業広告。
商品に埋没しすぎるのは避けたい。
この100年の歴史への誇りと、
次の100年の未来への意志、
できれば両方を感じさせるものを。

 

明日は、SKAT16鑑賞ガイド、その4。
では。

SKAT16鑑賞ガイド その2

今日も、SKAT16鑑賞ガイド。

 

4.エフステージ
「中古はダメじゃない」では不満。

「ダメじゃない」を強調するだけだと、
むしろダメそうなイメージが伝わりかねない。
リノベーション系の中でも高級な部類だし、
それにふさわしいポジティブな表現を。
あと、うさんくさい作り話、もうやめません?

 

5.キッコーマン
あくまでも課題に沿って。

第48回のセメダインの二の舞は避けたい。
「しょうゆなら何でもあり」では困る。
日本だけにとどまるようなものは不可。
また、「この国のこの料理にも」的な、
事実の描写ばかりになることを危惧。
企業に対する提案としての価値が低い。
よほど選択の妙があれば別ですが。
もっと危惧すべきは、しょーもない話。
「パスタに醤油をかけている人を見た。
イタリア人だった。」みたいなのとか。
そういう人がいたとして、それで?
表現以前の視点の勝負になりそう。

 

明日は、SKAT16鑑賞ガイド、その3。
では。