課題分析 7.カカクコム
第53回宣伝会議賞課題分析シリーズ、第7回は・・・
7.カカクコム
「食べログならどんなお店でも探せる」ということが
ひと目で伝わるキャッチフレーズ
まずは「どんなお店でも探せる」の解釈ですが、
オリエンにあるこの特長のことだと思われます。
「豊富なデータからさまざまな条件を指定して探せる機能」
この特長が「ひと目で伝わる」ものを、とのことですから、
回りくどいものではなく、直接的で短いものを。
では、直接的で短いものにするために考えるべきことは・・・
- 「外食」をキャッチで明示する必要はなし
キャッチフレーズ単独で応募するわけですが、
「どう使われるか」もある程度は考えておきたい。
「食べログ」とひと目で分かる広告で使われれば、
「外食の話」であることも当然伝わる。
キャッチ自体で「外食の話」と分かる必要はない。 - 「美味しいお店を探すのに失敗しない」を入れる必要はなし
オリエンには「イメージを維持しつつ」とありますが、
この要素を積極的に表現する必要はないでしょう。
もちろん、イメージに反するものはダメですけど。
「条件指定」に絞った方が、受け手の意識がそこに向かいやすい。 - 幹か枝か
「ひと目で伝わる」のは、断然「幹」でしょう。
定着力もあった方がよさそう、という意味でも「幹」。
それでも「枝」で、というなら、参考にしたいのは、
第42回の審査員奨励賞受賞作、「カリブ海の島国・・・」。
マイナーな例なのに、受け手が自動的に一般化してくれそう。
そういうのも何本かは見てみたい気もしますが、
企業が求めているものではなさそうです・・・。
また、「ひと目で伝わる」には、リアリティーも必要。
非現実的なものでは、受け入れられにくくなるので・・・。
というわけで、SKATに載りそうなダメコピーの例。
「また食事に誘ってほしいと言ってくる女性が多くて困る。」
「食べログ」が、ただの面倒な奴になってしまいます・・・。
さてここで、今日の課題にも関連して、一般的な話を・・・。
「切り口」って、必要ですか?
「は?」と言われるかもしれませんが・・・、
宣伝会議賞でも実務でも、課題によっては、
すでに十分「切られている」場合もあると思うのです。
あとはほぼ「どう表現するか」だけ、という場合も。
表現を考える上でも何らかの洞察は必要でしょうが、
「断面を見せました」的なものは、違うんじゃないかと。
今日の課題の場合、「すなわちこういうことだ」でいいと思います。
「○○No.1!」的な単純なものでも効くかも。
ただ、宣伝会議賞ですから、できるだけ既視感のない表現を。
それから、ここまで書いておいて、いまさらですけど、
「切り口」の定義もずいぶん曖昧なような気がします・・・。
私はコピーを考える際に、「切り口」という用語は使いません。
どうしても「断面」を想像してしまいがちなので・・・。
「接点」という用語もありますが、「点」では弱いような・・・。
私は、受け手との「インターフェース」を考えるようにしています。
明日は、8.関西大学。
過去の大学の課題も踏まえつつ。