課題分析 45.NHK

第53回宣伝会議賞課題分析シリーズ、第45回、もとい、最終回は・・・

 

45.NHK
「NHKワールド」の認知を拡大し、
より多くの人に興味をもっていただくためのアイデア

 

NHKの今年度の事業計画を見ると、重点事項の2番目に、
「日本を世界に、積極的に発信(国際放送の強化)」とあります。
要するに、「NHKワールド」のことですよね。
この辺りも踏まえての出題と思われます。

https://www.nhk.or.jp/pr/keiei/yosan/yosan27/pdf/youyaku.pdf

 

この課題ですが、私はオリエンの発表を待ってから取り組みました。
というのも、課題からはターゲットがよく分からなかったから。
海外在住の人か国内在住の人かとか、日本人か外国人かとか。

 

で、オリエンを読んだうえでの結論が、ややトリッキーなことに。

サービスの主なターゲットは海外在住の人だが、
広告の主なターゲットは国内在住の人。

 

オリエンのポイント3によれば、「基本的には海外向けサービス」。
が、ポイント1によれば、「国内での認知度が低いのが課題」。

NHKとしては、受信料によって成り立っている以上、
事業内容を理解してもらう必要があることに加えて、
オリエンに書いてある時代背景も踏まえてのことでしょう。

必ずしも、「国内の人にも見てほしい」というわけではなさそう。
ポイント3にあるように、「ああ、あれね!」でいいわけです。

もちろん、一度でも見てもらえれば、その方が認知度は上がるでしょう。
ただ、目的はあくまでも認知度の向上で、視聴率の向上ではない

広告って、ターゲットは広いけど誰も動かないよりは、
ターゲットを絞ってでも、実際に人が動いた方がいい。
ただ、この課題の場合は、実際に見る人を増やすよりも、
広く一般に「知られる」ことを重視した方がよさそうです。

 

例えば、「時事英語の勉強になる」とかは、基本的には本筋ではない。
ただし、「現代の日本人としてほぼ必修」と考えるのであれば、
また話は別になってくるのですが・・・、無理がありそう。

日本の公共放送が日本を世界に発信することについて、
関心を持ってもらうとか、価値を理解してもらうとか。
本来求められているのは、そういうことだと思います。

 

ここに書いた論点について、審査員がどう判断するかは分かりません
むしろ、国内の人も見てみたくなるような作品の方が評価されるかも。
実際、国内の「多数の」人が見てみたくなれば、課題解決にもなるので。
ただ、「本来どういう課題なのか」という観点も忘れないようにしたい

 

それから、最後にひとつ書いておきたいことが・・・。
NHKは、自身がテレビ局であり、制作力もありますよね。
また、テレビCMを公募するなんて機会は他にはなさそう。
それになにより、「みなさまのNHK」なわけです。
ってことは、実制作のチャンスも少なからずあるのでは
今後もNHKからの出題があるのか分かりませんが、
もしあれば、積極的に狙って応募してみてはいかがでしょうか。

 

これはNHKに限った話ではないのですが、
応募者側の「本気」を、もっと見てみたい気がします。
宣伝会議賞には、もっと大きな可能性があるはず。
それに、宣伝会議賞が「広告コピー」の賞であるためには、
賞の外部と何かしらつながっていなければ。

 

明日は、・・・「あとがき」。
さすがに疲れました・・・。