課題分析 14.クレディセゾン

第53回宣伝会議賞課題分析シリーズ、第14回は・・・

 

14.クレディセゾン
「日々のお支払いを、現金からクレジットカードに
スイッチしたくなる」効果的な広告

 

まず、他のカードとの差別化は重視しなくてもよし
優先すべきは、現金払いに対するカード払いの優位性。

 

実は私も、数年前まで日常の買い物は現金で払っていました。
カード払いに変えたきっかけは、たしかポイントだったかな。
「塵も積もれば」と考えると、ばかにできない。
そういう意味では、そういうアプローチももちろんあり。

 

ただ、「メリットは知っているけどそれでも現金」の人は?
オリエンにある「漠然とした不安」があるのでしょうか。
カードにすると無駄遣いしてしまいそうってことかな。
たしかに、そういう側面が全くないと言えば嘘になりそう。
でもむしろ、「カードを使うことで管理できる」可能性もあるかも
そういう意識付けをする方向性はあると思います。

 

で、ここまでは普通の分析なのですが、
ここからはちょっと別の視点から・・・。

「なぜカード払いにしないの?」に対する答えですが、
必ずしも合理的な答えがあるとは限らないのでは?

人間の行動パターンって、そんなに合理的じゃないでしょ。
やらなきゃいけないのにやらないこととか、
やめなきゃいけないのにやってしまうこととか。
そういう行動パターンって、どうすれば変わるのか?

もちろん、ひたすら合理的にアプローチするのもあり。
メリットとデメリットを思いつくだけ書き出すとか。
でも、人間って自分の行動をあまり否定されたくないでしょ。
目的は行動を変えることで、正しさの証明じゃない。
問題を何か別の大きな枠組みで捉えることによって、
行動を変えやすくするようなアプローチがあるかも。

この辺りは、現金払いかカード払いかを抜きにして、
その種の問題を扱った自己啓発本?を参考にしてみては
あまり直接的に「現金払いのここがダメ」というのは、
「漠然とした不安」がある人には反作用を生み出す懸念も。

 

ちなみに、第49回にほぼ同じ課題が。
その時の協賛企業賞受賞作品は・・・

「みんな貯め方は工夫するクセに、払い方は工夫しない。」

SKAT掲載作品を一通り見てみましたが、
これが協賛企業賞に選ばれたのも納得。
持って回ったものが多い中、分かりやすくて効きそう。
「すでにやっていること」に結び付けられている分、
心理的にも受け入れやすいのではないでしょうか。
作者は、「お前らは、ハトか。」と同じ人。
実力のある人は、あれもこれもできるのか・・・。

 

明日は、15.コメ兵。
いかにもグランプリが出そうな理由とは。