おすすめ本その2:『言葉の技術』(磯島拓矢著)
おすすめ本紹介シリーズの2回目は・・・
『言葉の技術』(磯島拓矢著、電通)
前回最終審査員を務められた磯島拓矢さんによる、
言葉を出す以前に考えることの重要性をテーマにした本。
コピーの話に入る前の『第一章 伝わらない言葉たち』では、
典型的なスポーツ選手の試合後のインタビューなど、
「考えられていない言葉」の例が挙げられていきます。
これは以前から気になっていたので、激しく共感。
じゃあ、「考えられたコピー」って、どいうものか?
実例を基に解説されているのですが、ここでは一点だけ。
『「いいこと」よりも「ホントのこと」』
ここで磯島さんが問題にしていることは、谷山雅計さんの『読本』に出てくる、
「涙の跡」や「赤ペンの線」の話と同じことだと思います。
ってことは、磯島さんと谷山さんが同じことを指摘されている。
しかも、『読本』は多くの審査員や参加者が読んでいるはず。
なのに、リアリティのない「いいこと」を言っているコピー、
宣伝会議賞の一次通過作品ではかなり多い気がしませんか?
「これはすばらしい」を、身勝手なフィクションで言い換えただけのコピー。
そういう作品、いっしょに蹴散らしていきましょう。