オリエン論 その5

今日は、オリエン論のその5。
今日も実例を基に考えていきます。

 

今日は、前回(第53回)のカカクコムの課題
食べログと言った方が分かりやすいかな。

 

課題を確認しておくと・・・

食べログならどんなお店でも探せる」ということが
ひと目で伝わるキャッチフレーズ

 

で、SKATの一次審査通過作品を見てみると・・・

「どんなお店でも探せる」からは外れたものが多い。

「お店選びは大事だね」と「口コミは役に立つ」が大半。

 

それになりより・・・

 

面倒くさい!


正直、全部読むのは苦痛。
「ひと目で伝わる」からは程遠い。
むしろ、遠回り競争みたいな。
便利なサービスじゃなさそうな印象。

 

が、作者や審査員を全面的に否定できるかというと、
ちょっと気になることがありまして・・・。

 

実は、昨年の「課題分析シリーズ」で、
この課題について、こう書いていました・・・。

『今日の課題の場合、「すなわちこういうことだ」でいいと思います。
 「○○No.1!」的な単純なものでも効くかも。
 ただ、宣伝会議賞ですから、できるだけ既視感のない表現を。』

この課題、幅が狭めで、宣伝会議賞の良さが出にくいと思うのです。
そういう場合に、一次審査員はどう考えればいいのかな?

単に課題やオリエンを理解していないだけかもしれないけど・・・。

 

それでも、企業が解決しようとしている課題を解決する、
ということからは外れてはいけないと思っています。
ただ、アプローチはオリエンの細部に従わなくてもいい、と。

 

というわけで、私の結論としては、
やはりこの課題の審査結果は否定したい

あくまでも、「どんなお店でも探せる」じゃないと
そりゃまあ、この課題の究極の解決は、
「利用者が増える」ことなのでしょう。
でも、口コミの認知度が飽和しているとしたら?
出題企業はその辺りも踏まえて出題したんじゃないかな。
「それでも」と言えるだけの仮説があるならいいですけど。

ただ、「ひと目で伝わる」の方は、絶対ではないかも
それ自体が目的というわけではないから。
長いけど圧倒的に機能するものなら、
オリエンには沿っていないけれども、
課題解決の提案として価値はある。

 

・・・なんてことを考えているうちに、
「これだ」というのができてしまいました
前回応募したものも悪くはなかったけど、
今ではちょっと抽象的過ぎたような気がして。
いつかこのブログの読者とお会い出来たら、
発表して感想を聞いてみたいと思います。

 

明日は、オリエン論のその6。
では。