最終審査員座談会を読む
今日は「オリエン論」の予定を変更して、
オリエン発表号に掲載された、
宣伝会議賞最終審査員座談会について、
いくつか気になった点を・・・。
まずは、オカキンさんのすがすがしい発言の数々。
- 応募数に価値を見いだそうとしているところがある気がします。
- 数を書くことだけで満足している人が多い。
- 「コピー制作ごっこ」をしているんじゃないの?
- 「たくさん書いたから出しておこう」と思って応募してくる人には腹が立つ。
まったく同感。
次に、三井さんのこの発言。
コピーそのもので伝わらなければいけないのに、
企画意図の部分で補足しようとしている方がいたりして。
おそらく、多くの他の審査員も同じ考えでしょう。
でも私は、こういう一般論に懐疑的なんですよ。
そういう問題がある応募作があるのはたしかだとしても、
「コピーそのもので伝わらなければいけない」は、
本当にすべての応募作に適用されるべき原則なのか?
それにそもそも、どこまで伝わっていればいいのか、
そこにクリアな線引きがあるとも思えないし・・・。
それに、企画意図で補足できるってことは、
コピーだけで完結させようと思えばできるわけでしょ。
それをあえてやらない方がいい場合もあるんじゃないかな?
宣伝会議賞ではコピー単独で発表されちゃうけど、
それに合わせてあえてコピーを劣化させるのも変だし。
この問題については、いつかまたあらためて・・・。
次に、賞レースと仕事現場のギャップについての発言。
磯島さんも三井さんも実例を挙げているので分かりやすい。
次に、オリエンと選ばれるもののギャップについての発言。
まず、これがセミナー参加者からの質問なのか、
主催社が用意した質問なのかは分かりませんが・・・。
磯島さんの発言もオカキンさんの発言も、
たしかに質問の内容に関係してはいるけれど、
多くの人が本当に知りたいことは別にありそう。
オリエンの細かい要求を満たすかどうか以前に、
解決しようとしている課題が違うんじゃないかとか。
次に、印象に残っている受賞作品についての磯島さんの発言。
これは、実例があるので非常に分かりやすい。
最後に、三井さんのこの発言。
「過去や他に似た表現がないか」をかなり丁寧にチェックしている。
これはまったく知りませんでした。
有力そうな作品が受賞していないことがあるのは、
そういう事情もあったのかもしれませんね・・・。
この記事を読んでの全体的な感想としては・・・。
本当は実例を挙げながら検討すべきことでも、
セミナーの質疑応答とか誌上対談記事とか、
時間や紙幅に制限がある状況では、
どうしても一般論になりやすい。
だから、そこで語られることの意味は、
受け手が批判的に考えるしかないと思う。
本来は、現在通用している一般論からは外れるけれど、
でも、実はこの方が広告的効果があるんじゃないか、
そんな作品を見つけるのも宣伝会議賞の役割じゃないかと。
明日は、今度こそ「オリエン論」を始める予定。
では。