課題分析 22.セメダイン

第53回宣伝会議賞課題分析シリーズ、第22回は・・・

 

22.セメダイン
あらゆる接着ニーズに対して「セメダインスーパーX」が最適だと思わせるコピー

 

これ実は、キャッチフレーズは難しいと思うのです。
なぜなら、タグラインの「超多用途」で済むと思うから。

他の課題でも同じようなことを書いたことがありますが、
「超多用途」は宣伝会議賞で評価されるようなコピーではないけれど、
これより機能が劣化したものを作ってもしょうがない。

「こんなすごいことが。なぜだろう?」みたいな、
面倒くさいだけのフィクションを作る意味があるのか?

だって、課題グラフィック、印象に残るでしょ。
あのかっこいいパッケージをそのまま活かしつつ、
「超多用途」を目立たせるのではダメなんでしょうか?

また、「超多用途」を含むあのパッケージだけでも、
売り場ではかなり機能すると思うのですが・・・。
接着剤の場合、それが一番の広告のような気もします。

 

それでも「超多用途」に足りない要素を探すとすれば、
接着剤に興味がない人に対する「キャッチ」でしょうか。

オリエン発表号にセメダイン社の記事がありましたね。
その中で、宣伝担当の方がこうおっしゃっています。

「普段、接着剤のことを考える人はほとんどいません。」

まったくその通りで、これはぜひ考慮したいポイント。
実は、「今はニーズがない人」こそがターゲットなのでは
ニーズがある人は、広告を見る前に売り場に行きそうですよね。

ニーズがない人の関心をどうキャッチするかは難しいですが、
「今はニーズがない」を意識すると、景色が変わるかも。

 

それから、ただ面白ければいいわけじゃない。
あくまでも、「超多用途」に落ちそうなものじゃないと。
リアリティーのないフィクションは、距離が遠すぎる。
そもそも、私はそういうのが面白いとは思えません。

また、広告に接してから比較的すぐに買う商品もあるけれど、
接着剤は基本的にはニーズが発生してから買うもの。
そのニーズが発生した時に、思い出してもらわなければ。
ですから、「超多用途」を定着させることが重要。

 

というわけで、「超多用途」の機能を補完するようなものを

そう考えると、第51回協賛企業賞の「あきらめんなよ。」は、
「超多用途」に合っているかはちょっと微妙ですが、
大変いいところを突いているのではないでしょうか。
誰もが理解できる感情からアプローチした点で。
キャッチ力も定着力もありそうです。
これを超えるのは容易ではなさそう・・・。

 

というわけで、CM案で「超多用途」を定着させてみたい
なお、過去に上位まで進出したCM作品を見てみると、
「超多用途」よりも「強力接着」が多いような・・・。
「超多用途」だとオムニバスになりがちだからかな。
そこを乗り越えられれば、入賞にかなり近づくはず。
これだけはっきりした訴求点があるわけですから。

 

明日は、23.全労済
これは意義のある出題だと思います。