SKAT16鑑賞ガイド クールダウン

なんと2週間に渡る連載になった、
「SKAT16鑑賞ガイド」
お楽しみいただけましたでしょうか?

 

自分でもあらためて全部読んでみて、
重視したポイントをまとめてみると・・・。

 

  • 課題の意図に沿っているか。
    関係していればいいってわけじゃない。
    進むべき方向に進もうとしているか。
    内容だけでなく、雰囲気も含めて。
    特に、メジャー感を損なわないように。
  • キャッチフレーズの位置に置けるか。
    ボディーで普通に言えばいいこともある。
    課題によっては、内容以外の面も重要。
    チャームとか、覚えやすさとか・・・。
  • 嘘くさい作り話になっていないか。
    嘘くささも、受け手にとっては、
    「メッセージ」の一部なので・・・。
  • 人が動くか。
    「言う」だけで満足していないか。
    特に、「織り込まれている」ことを、
    わざわざ複雑に描写していないか。
    結果として何が達成されるのか。

こんなところでしょうか・・・。

 

前回の「課題分析シリーズ」と同様、
こうしてブログの記事として書くことで、
私自身の頭の中がより整理された感じです。

 

「審査員は審査されている」と言われるけど、
本気で審査員を審査している人はいるのかな?

宣伝会議賞やSKAT(特に最近の)は、
無批判に受け入れていいものではないはず。
たとえ、何の実績もないアマチュアでも。

一次審査さえ通過したことがない私ですが、
自分の頭で考えた結論として、確信しています。

 

今の一次審査の基準は、明らかにズレている。

 

それは、実務と公募賞の違いとかではなくて。

 

「謙虚になれ」という批判があるとすれば、この名言を・・・。

 

謙虚さとは、突き抜けた批判精神である。

 

はい、私の名言です・・・が、
きっと古今東西の偉人の誰かが、
同じ意味のことを言っているはず。

 

この「SKAT16鑑賞ガイド」が、
優れたコピーやCM案とは何かを、
自分の頭で考える仲間を増やす
ほんの小さなきっかけにでもなれば。

 

明日は、このブログの近況について。
では。

SKAT16鑑賞ガイド その14

今日も、SKAT16鑑賞ガイド。

 

36.よしもとクリエイティブ・エージェンシー
自虐の行き過ぎに注意。

この課題の前回の一次通過作品の印象は、
事前に想像していたよりはかなり良かった。
何かしら工夫をする姿勢が感じられて。
ただ、「売れていない」という自虐的な案は、
ジャルジャルは売れていない」ということを、
わざわざ伝えるだけの結果になるのでは。
「芸人のCM」自体がそうかもしれないけど、
そこを乗り越える前向きの力がないと。
ジャルジャルはおもしろい」の単なる説明とか、
「売れたい」という単なるお願いではないものを。

 

37.主催社特別課題
人が動くか。どう動くか。

まず、小霜和也さんのブログを参考に。
http://koshimo-blog.com/?p=1577
課題は自分なりに設定するしかない。
その上で、何かを「言う」ことに満足せず、
結果として人の行動がどう変わるのか、
そこに集中して考えるべき課題。

 

明日は、SKAT16鑑賞ガイド、総括。
では。

SKAT16鑑賞ガイド その13

今日も、SKAT16鑑賞ガイド。

 

33.メディプラス
分析困難。

今回の課題の中で、最も分析が難しい。
「ここち、らくちん。」でいいような気が。
CMも既にあるものみたいな感じでよさそう。
「達人の道」とのカブリにも要注意。
商品ウェブサイトで使われている文言も、
普通だけど機能する的確なものという印象。
正直、何をやるのが妥当なのか、判断できない。
強いて言えば、シズルコピーに挑戦しては?
宣伝会議賞では評価されにくそうだけど、
この課題で勝負するとすればそれぐらいかも。
「ガイド」のはずが、無念のSKAT16待ち。

 

34.ヤフー
根拠のある「これはすごい」を。

現状をなんとなく否定するだけでは不満。
それとは違ってヤフーの技術はどうなのか?
「人々の生活と社会をアップデート」を、
ポジティブにもう少し可視化してみたい。
求められるのは、個別の技術の紹介ではない。
また、「広い領域」というだけでは無意味。
高度で先進的であることに踏み込まないと。
雰囲気もベタであってはいけないはず。
また、「広く世にアピール」とありますが、
参考として挙げられたウェブページを見ると、
企業の頭には人材採用がある可能性が高い。
直接的でなくていいけど、意識はしておきたい。

 

35.Yogibo Japan
生理的に「楽しそう」が伝わるか。

直接的な比較は避けた方がよさそう。
「あのイスは合わなかった」とか、
「あれとこれがひとつで済んだ」とか。
「不都合が減る」という印象だけでは不満。
もっとポジティブに楽しさが伝わるものを。
説得でもつぶやきでもエピソードでもない、
シズル感が伝わるものを見てみたい。
宣伝会議賞では軽視されがちに思えるけど、
雰囲気も「メッセージ」の一部でしょ。
「夢を広げる」にふさわしい雰囲気を。

 

明日は、SKAT16鑑賞ガイド、その14。
では。

SKAT16鑑賞ガイド その12

今日も、SKAT16鑑賞ガイド。

 

30.マスメディアン
「心に沁みる」ものを。

オリエンのポイント④を強く意識したい。
社会背景は、言われなくても想像できるし、
サービスの中身は、普通に説明すればいい。
ややこしく描写してもしょうがない。
このサービスに込められた「思い」に、
女性クリエーターにもそれ以外の人にも、
強く共感してもらえるようなものを。
なお、前回はまだ事業開始直後で、
求人も少なめだったと記憶していますが、
求人が増えているようで、めでたし。

 

31.まめプラス推進委員会
「贈りたくなる」か。

オリエンのポイント④に従うとすれば、
「ヘルシー」は、背景にほんのり程度で。
となると、ポイント②と③しかなさそう。
「あなたを元気にする」は、ぜひ欲しい。
一瞬、そのままでもいいような気がしたけど、
広告コピーで「あなた」としてしまうと、
贈られる側じゃなくて贈る側になりそう。
あからさまな説得に走るのは避けたい。
チャーミングであることがかなり重要。
ティラミス攻撃は、いかがなものか。
意味の説明より、感情への働きかけを。

 

32.ミツトヨ
一般に広く魅力が伝わるか。

一般向けなので、専門的になりすぎず、
「記憶に残る」ことを重視したい。
細かい話は、頭に残りにくそう。
「わずかなズレがこんなことに」的な話は、
重要でも興味を持ってもらえるか怪しい。
その話を具体的に知っていなくても、
考えれば想像できることも多そうだし、
それは自分が解決すべき問題でもないし。
アプローチとしてはありだとしても、
何か興味を引く突出した要素が欲しい。
また、エピソード系は、でっちあげ禁止。
精密測定の会社に、それを提案できますか?
緻密なシミュレーションの結果ならともかく。
「思う」の使用にも注意してほしい。
誰が思っているのか不明だったりするので。
広告の受け手が言うような内容でもないし、
企業側がその内容を「思う」では無責任でしょ、とか、
消費者に向けて言うのなら「思います」でしょ、とか、
企業が遠い目をする姿を見てほしいのか、とか。
単に「精密測定は大事」と言うだけではない、
+αとか別のアプローチとかを見てみたい。

 

明日は、SKAT16鑑賞ガイド、その13。
では。

SKAT16鑑賞ガイド その11

今日も、SKAT16鑑賞ガイド。

 

28.富士紡ホールディングス
存在感の向上が命題。

出題企業が求めているコピーは、
おそらくキャンペーンコピー的なもの。
でっちあげの自慢話とかではなくて。
(「特に問いません」とはいえ・・・。)
が、宣伝会議賞では、そういう課題でも、
なぜか全然違う種類のものが残りがち。
「意味」より「機能」で考えてほしい。
私の課題解釈が間違っているのかな?
このブランドのコンセプトとしては、
「機能性が高い」ってことでしょうか。
ただ、求められているコピーの役割や、
商品ジャンルの特性も踏まえると、
単に説明すればいいわけじゃなくて、
直観的に魅力が伝わることも大事では。
「姉ちゃん」は、いい加減やめてほしい。

 

29.北陸電力
競合優位性をちゃんと考えたか。

競合は、「auでんき」と「ヤマダのでんき」に加え、
応募期間の途中で参入した「HTBエナジー」。
「全国的にもとても安い」電気料金は、
北陸地方での競合と比べると安くはない。
首都圏でも北陸電力を選べるらしいけど、
今回の課題のターゲットは北陸地方の顧客。
また、着目すべきは、あくまで小売部門。
近い将来の発送電分離を織り込むべし。
送配電部門を訴求点にするのは反則。
電源構成の話は、一般論としてはあり。
が、auでんきの北陸での調達先は北陸電力
それに、水力発電の話に応募が集中しそうだけど、
なんとなくのイメージ頼りになる懸念も。
例えば、水力発電以外の電源も含めて考えると、
現時点ではCO2排出が少ないわけじゃない。
残りの電源が、ほぼすべて石炭火力だから。
LNG火力の導入の予定はあるようだけど。
ちゃんと事実に基づいた優位性を出さないと。
また、「変えなくてもいい」では消極的すぎる。
今回の課題の中で、一番の難題かも。

 

明日は、SKAT16鑑賞ガイド、その12。
では。

SKAT16鑑賞ガイド その10

今日も、SKAT16鑑賞ガイド。

 

25.FIXER
「未来予想図」をどう描くか。

第4次産業革命とかIoTとかの話。
期待感にしても危機感にしても、
まずは、どんな未来を予想するか。
その上で、「促す」だけの力があるか。
ただし、安易な煽りには厳しい目を。
「とにかくすごい/やばい」みたいな。
何がすごい/やばいのか、伝えられるの?
「作品の意図」も重視されるべき。
ただ、一番ダメなのは、現状に縛られること。
しょーもない「困ったエピソード」とか。

 

26.福島工業
自分なりの課題設定を。

「わたしたちの知らない福島工業の魅力」、
と課題シートにはあるけど、どうかな?
オリエンでは、単に「知名度を上げる」方向。
現状を伝えるだけなら、大喜利もありかも。
冷蔵・冷凍の一般的必要性は、誰でも知っている。
普段わざわざ考えたりしないというだけで。
知らなかったふりをするのはアホっぽい。
「新たな魅力」は、発見がかなり難しそう。
「知らなかった事実」というだけでは弱い。
「100周年に向けて」という意味では、
この企業や業種の未来に目を向けてみるのもあり。
課題がかなり曖昧と言わざるを得ないので、
目的とする広告効果を自分なりに明確に。
単純に「素敵な企業だな」と思えることも大事。

 

27.フジテレビジョン
「ワンオブゼム」で満足ですか?

とにかく数を出すには困らなそうな課題。
訴求点の選択肢はかなり豊富だし、
動画配信等のコンテンツに限らず、
いろいろな競合を設定できそうなので。
が、その分、「これだ!」が出にくいかも。
実際、オリエンは総花的で、方向付けが弱い。
あれもこれも出せば、一次は通りそう。
が、そういうものばかりでいいのかな?
「ワンオブゼム」に満足している作品は、
サービスにもそういう印象を与えかねない。
消費者は最終的にはコンテンツで選ぶとしても、
強烈なブランドイメージがあれば効くのでは。

 

明日は、SKAT16鑑賞ガイド、その11。
では。

SKAT16鑑賞ガイド その9

今日も、SKAT16鑑賞ガイド。

 

22.パナソニック
商品特性に埋没せずに。

商品特性は、普通に言えばよさそう。
「速く乾く」は、「速乾」で伝わる。
長いのは、長いだけで「速乾」っぽくない。
また、きれいになった自慢話は嘘くさい。
「忙しいひとを、美しいひとへ」も踏まえ、
商品やブランドに込められた思いを。
取り組みにくくはないけど、難易度は高い。
「ヘアエステ」は使われているので注意。

 

23.ピカコーポレイション
立ち位置と目的にふさわしく。

同業他社との違いは、内容は限られそう。
背景にある「思い」も込めた表現を。
業界トップ企業らしいメジャー感も欲しい。
60周年だし、使う気満々みたいだし、
この企業に縁のない人にも通じるものを。
専門的になりすぎず、細部より核心で。
ことば遊びをしたくなる企業名だけど、
あくまでもスパイス程度にとどめたい。

 

24.VSN
「スタンダード」に向かっているか。

バリューチェーン・イノベーター」限定。
「正社員派遣」がテーマではないので注意。
「スタンダードになっていく」とあるけど、
「スタンダードにする」つもりで作りたい。
個別的な話は、むしろ特殊な印象を与えそう。
また、サービスを言い当てるだけでは機能しない。
働く人も企業も、同じ方向に進みたくなるものを。

 

明日は、SKAT16鑑賞ガイド、その10。
では。